「ボク、が鬼道使うのって好きやねん」
「…それはどうも」
「だから、そんなボクのために詠唱破棄やめてくれん?」
「理由が分かりませんよ隊長。第一、戦闘中ではそんなこと言ってられないでしょう」
「はボクが守ったるし、理由はこの上なく簡単なのやけど」
「…一応お聞きします。何ですか?」
「の声が好き。ただそれだけ」
聞けないお願いと 我が侭な甘え
「ああでも、そうするとズルイなぁ」
「…ずるい?」
「虚はの声で消えるんやろ? ずるい」
そう言うあなたの方が余程ずるいです、と
赤くなった顔を隠し切れてない彼女の声は聞こえないふりをした。
2006/09/30
君の声に見送られて逝くなんて。
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