「あなたは白いね、ウルキオラ」


戯れに重ねた手を見ては微笑んだ。
言われて初めて目線を下ろし、彼女の膝の上にある二つの手を見る。
こうすると普段は気にもしない自分の肌の白さがよく分かる。
自分の手は無機質な白、爪に落とした色は黒。
指を絡めた彼女の手はやさしい乳白色、指先はうすい桃色だ。

どうして自分だけがこんな色なのだろう。
これといって不満はない。だが、ほんの少しだけ、違和感を感じる。

胸の奥にできた引っ掛かりを誤魔化すように絡めた手を引いて唇を奪った。
触れて、噛んで、舐め上げる。
突然の行為に驚いて乱れた呼吸を震わせながら、
膝上の指に力を込めるに答えるように繋がった手を握り返した。
深く強く絡まる二人の色。
一方は変わらぬ白に、一方は赤みを帯びた桃色に。


ながいながい無言のあと、解放した唇に反して指は絡まったままだった。
互いの鼻先が触れ合いそうな距離で、
頬まで赤みを帯びたが息を整えながらも目の前の俺に向かいにっこりと笑う。



「でも、あなたの舌は赤いのね。私と同じに」





C o l o r S a v e s M e










2007/12/25
その色は、甘く、激しく、私を救う